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木村栄昌

重加算税:知ると知らないで大違い!
—無知ほどコワイものはない—

国税不服審判所で重加算税が取り消された事例の紹介

 税務調査で税務署から重加算税が課された場合でも、国税不服審判所に不服申立てをして重加算税の課税取り消しになる場合があります。
そのような例をいくつかご紹介して、取消しを勝ち取った共通の要素を見てみます。
なお国税審判所に不服申立てする前に、処分した税務署に「再調査の請求」をして重加算税課税を取り消す道もあることは前回ご紹介した通りです。

例1:税務調査で預金500万円が相続税の申告洩れであると指摘され、意図的な隠蔽であると認定され重加算税が課されました。
  納税者はその預金があったことは知らなかったと主張し、その主張が審判所で認められ、隠蔽ではなかったとされ、重加算税は取り消されました。<令和7年9月7日裁決>

例2:現金が相続税の申告洩れであるとして税務署は重加算税を課しましたが、これらの現金は亡くなった者(被相続人)から生前贈与されたものであると納税者は主張し、意図的な隠蔽とまでは言えないとの結論になり、重加算税は取り消されました。<令和4年12月12日裁決>

例3:預金の申告洩れが見つかりました。税務署は意図して過少に申告しようとしたと重加算税を課しましたが、納税者は故意に隠すつもりはなかったと反論し、その主張が認められました。<令和4年5月10日裁決>

例4:調査で未成年の子供名義の預金が発見されました。税務署は意図ありとして重加算税を課しました。納税者は、この預金は子供の預金であり、亡くなった者の預金ではないと証拠を揃えて反論し、認められました。<令和3年9月17日裁決>

例5:自宅で妻が保管していた現金の原資は相続財産とは関係ない、との主張が認められ重加算税課税は取消しされました。<令和3年3月1日裁決>

例6:死亡により生命保険金が入りました。税務署は保険金は相続税の申告に加えられるべきで、それがされていない。意図的な隠蔽であると重加算税が課されましたが納税者は意図はないと主張し審判所では税務署の重加算税課税を取り消しました。<令和3年3月裁決>

まとめ

 太字の部分を読みますと簡単な遣り取りが見えます。
相続税調査で申告洩れの資産が見つかった税務署は故意に申告洩れ重加算税
納税者→その洩れは故意ではない→だから重加算税は取消しである→取消

 根拠がなければ終わりのない言い争いに終始してしまいます。決め手は「事実と証拠」と「税法の趣旨を踏まえた論理」です。

 申告で、洩れたら意図ありとみなされかねませんので誤解されないように立証できることが重要です。