第一原則:戦わずして勝つ Win All Without Fighting
Capturing Your Market Without Destroying It
市場を破壊することなく、手に入れよ
計篇第一:
謀攻篇第三:
国を全う(敵国を傷つけずに屈服させる T137p)するを上となし、国を破るはこれに次ぐ、軍を全うするを上となし軍を破るはこれに次ぐ。
上兵は陰謀を撃つ、次は同盟関係を断つ、その次は野戦に勝つ、最低が城塞を攻める事である。
名将は城攻めの禍を知っているので、(中略)敵の城を必ず無傷のままで手にする方法で天下の争奪を狙う。軍隊も疲労せず完全な勝利が得られる。謀攻戦略の妙味である。(T136〜143p)
作戦篇第二:
頭のよい将軍は、適地の食料を奪って賄おうとする(T127p)
第二原則:敵の強い点を避け、弱点を衝け Avoid Strength, Attack Weakness
Striking Where They Least Expect It
- 敵の不意を衝け
- 敵のValue chainの連結点 R&D / Mfg / Sales / Serviceを攻めよ
- 敵の心理的弱点を攻めよ
- 攻めるために準備せよ
謀攻篇第三:
将、その怒りに勝てずしてこれに蟻附(ぎふ)(蟻の群のように人海戦術で城壁に兵をとりつかせる、T143p)すれば、士卒の三分の一を殺しても而も城の抜けざるは、此れ攻の災いなり
虚実篇第六:
攻むれば必ず取る者は、その守らざる所を攻むればなり。守りて必ず固き者は、その攻めざる所を守ればなり。故に善く攻むる者には、敵、その守る所を知らず。善く守る者には、敵、その攻むる所を知らず。
第三原則:偽計と予知を働かせよ Deception And Foreknowledge
Maximizing the Power of Market Information
- 競争相手を知れ
- 己自身を知れ
- 情報技術(Information Technology)を使え
- マーケットを知れ 欺くべし(兵は詭道なり:計篇第一)
用間篇第十三:
明君賢将の動きて人に勝ち、功を成すこと衆に出ずる所以の者は、先に知ればなり。先に知るには(祖先の霊を祭ってお告げを得たり、吉凶占いによってわかるものでもない。さらに日月星の位置によってもわかるものでもない)必ず人(間諜)に取りて敵の情を知る者なり。(T358〜9p)
第四原則:スピードと準備 Speed And Preparation
Moving Swiftly To Overcome Your Competitors
- スピードは力の源泉
- 速攻が出来る条件、無駄を省き顧客満足を高めよ
- スピードは敵に驚きとショックを与える
- 攻撃、防御のシナリオのもと組織で動け
九地篇第十一:
およそ戦いというものは迅速機敏を生命とする。すなわち先手を取り、敵の不意を衝いて、敵の考えていない道を通り、その備えていないところを攻めて勝つのである。
:初めは処女のごとく。敵人、戸を開けば、後は脱兎の如くす。敵、拒ぐに及ばず。
軍争篇第七:
故に兵は詐を以って立ち、利を以って動き、分合を以って変をなす者なり。故に
疾如風 徐如林 侵掠如火 不動如山・・・四如
知りがたきこと陰の如く 動くこと雷震の如し・・・併せて六如
物資の挑発をするには兵力を分散し、土地を奪って」広げる時は地区を区分して、その利点を分担管理させ、兵力はなるべく分散しない。状況適応(T238p)
第五原則:真の敵を見極めよ Shape Your Opponent
Employing Strategy To Master the Competition
- エサを撒いて真の敵を見出せ
- うまく逃げよ
- 協同せよ(次項参考)
- 敵に正体を見せるな
虚実篇第六:
善く戦うものは、人を致して、人に致されず。(T198P)
:敵が必ずやってこないではいられない所は先取りし敵が思いもよらないところも取っておくのがよい。(T202p)
勢篇第五:
正の戦法で不負の地で敵を拘束し、状況に応じた奇の戦法で打ち勝つのが常道である。(T183P)
第六原則:人格的リーダーシップ Character-Based Leadership
Providing Effective Leadership in Turbulent Times
リーダーの人格が試されるとき
言葉でなく、行動で示せ
物質的な報酬より心情で率いよ
明確な使命を与えよ
組織戦略を明確にせよ
地形篇第十:
将は己の名声を上げるため攻撃したり、罪にふれることを怖れて退くべき時に退かないなどの邪心がってはならない。ひたすら将兵の命を大切にして損耗を少なくし君主の政治的利益に貢献する軍事作戦を行なう心がけが必要である(T297P)
用間篇第十三:
爵禄百金を愛しみて敵の情を知らざる者は、不仁の至りなり。人の将に非らざるなり(T356p)
ケース スタディ 6原則をどう使うか(その1)
事例
A製品で世界第3位の甲社に外国投資銀行から世界第2位の乙社の経営陣で且つ有力株主グループが内紛で、甲社に株式譲渡の話を持ちかけてきた。
社長であるあなたは何処に着目し、どのような対処をしますか? また孫子ならどうしたと思いますか?
Point:
- 内紛の実相は、計略か、選択するSpeedの種類
- Speedの種類とCost比較
- 得られるものの金銭評価
- 最悪の場合(訴訟)Cost、会社が危機に陥る程か
- 内部情報(用間)のルートとCost
ケース スタディ その2
事例
貴社の顧客が200万円の売掛金を支払ってくれません。あなたは営業部長として6原則で、どうし対処しますか。
Point:
不払の原因、相手の状況、支払能力、風聞、選択すべきSpeedの種類
結語 The Basics of business and business Strategy unchanged
-
技術が進み、新商品や新サービスが日々出てきても、ユニークで高品質で、客が他所で手に入らないものを提供すること。(人マネでは伸びない)
Although new products and services emerge daily, the key to success involves providing unique and superior value for customers, giving them something they cannot get elsewhere.
-
最大利潤と投下資本回収率は、最少の経営資源で最大の収益を梃子の原理で得られることで達成できる(高付加価値を狙え)。
Maximum profits and return on investment are attained by leveraging the smallest amount of resources into the largest amount of revenues.
-
ビジネスリーダー達のよく似たミスは、計画を作っても達成に必要なコストが欠けていたり、その改良案がなぜ必要かの意味を詰めないまま実行しようとしたり、日々の現場で起きる危機管理が欠如していることである。(社長室に居ては見えない)
Creating plans they lack the resources to complete, focusing on improving processes without questioning the need for the process themselves, and ignoring strategy to focus on the day-to-day crises of the business.
(原著152〜154p Summaryより、カッコは発表者補足)