冬の時代を笑いで乗切るために<短編物語>読むだけで税や会計の 生きた知識が不思議に身に付く
<短編物語>第10話 国境を越える若者たち その4
選択と集中の秘訣
勝也は続ける「オレは学校でプロダクトデザインを学んでいる。学校と下宿を往復するだけの毎日だが雑音がないので学びに没頭できる。そこで分かってきたことがある。自分の内心に居て外の不要な情報を排除して、自己の内部が出す情報に五感を使って「感じる」と、していることが見えてくる。無駄な時間を過ごすことはなくなってゆく。ストラスブールにも日本人観光客が来る。お金を使うのが目的のような浪費旅行だ。群れて動き回って何でもかんでもスマホのカメラで撮っている。しかし彼らの眼はガラス玉のようだ。命を燃やす対象がないようだ。」
憲治も勝矢の言うことが分かるような気がした。そう思いながら明日からの自分の会社の経営のことが気になる。
それを感じたのか勝矢は「手を広げるほど集中の中心がボケてくる。これがコワい」「あれもこれも実行しようとする。そこが罠だ。自分で作ってしまった罠だ。することを広げないで最小限にすれば焦点が絞られる。その絞られた焦点からエネルギーが噴き出す。絞るほど噴き出す。ENSASの教授に言われた。「日本人は賢くて器用だから周りが見えすぎる、そこで捨てることをしないでせっかちに進むから五里霧中に入ってしまう、と。」「アタリだと思った。それから、器材も書籍もすべてつく周りから遠ざけて貸倉庫に放り込んだ。不思議だった。することが見えてくるようになった。」
憲治は自社の何を捨て、何を残すか、この答えが分かった時に前へ進むことができるような気がした。オット、何を捨てるかより前に、売掛金の支払いが遅い外国人を今のまま甘やかしていること、外国人の作家にい言われるままに前金を払っている姿勢が自分の何処から出ているのか知ることが先だと思った。
自己主張を十二分にしないと外地では寄り切られる。その現実に気がつかないまま母国の取引先の好意にすがってきたことが原因だと、目の前の勝矢の顔を見ながら頭の裏側でそのような原因探しをしていて、気がついてきた。
全ては選択だ
勝也は言う「流されてゆくのはやめようや。日本の人は善い人が圧倒的に多い。しかし外国ではそうではない。悪い人も多い。しかし善い人も同じだけいる。みんながみんな悪くない。人と接点を持つか否かは自分の選択だ。まずい人と思ったら距離を取ることだ。オレもこれができなかったがこちらへ来たら五感をフル回転させたらハナが効くようになってきた。自分でも凄いと思った。誰が悪い、政治が良くないなどは関係ない。自分が選択を誤るか、正解か、どちらかしかない。すべて自己責任だ。誰かのセイにするナ。自分は責めを負わない場にいてクチだけの人は相手にしない。決めたら前が見えてきた。そしたらナメラレルこともなくなった。
日本に日本に居たら気づかなかったことだ。規模が大きいのは良いことではない。滅びの道の入口だ。大きくなると見えるモノも見えなくなる。アタマ180度変わった。相手の顔色みて言うことフンフン聞いてたらナメラレル、押しまくられる。どこかの国の外交のように、、」