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税務会計フォアユーパートナーズ

(担当)財務分析家
木村栄昌
(税理士・米国公認会計士)

社長、ソコがわかれば百人力!

社長、ソコがわかれば百人力! のご案内

『社長、ソコがわかれば百人力!』のバックナンバー(24号)をご紹介します。

これまでのあらすじ

対談を進めていくうちに、00譲次氏は様々なアドバイスを受けました:
  • 税法改正の影響と対策
  • 資金確保のポイント
  • 税金ごとの性質の把握と、それぞれに適した節税のポイント
  • 会計事務所との付き合い方
  • 相続対策
そして話題は「会計データの読み方」へ……。

バックナンバー

社長、ソコがわかれば百人力!
  社長、ソコが分かれば百人力 第24号



<<承継のために社長が見えてくるもの>>


<社長に見えてくるもの、それは>

J:何でしょうか?

K:内容のいい、別の表現をすれば、資産内容のいい、
「貸借対照表が美しい」会社を
作って残すと共に、ご家族には相応の資産を残す事を
考えればいいでしょう。

 この二つは、分けて考える事です。
いい内容さえ作れば、会社には「相続」はありません。
しかし人間には「相続」があります。
この違いをよく考えて、残すものを
 組み立てる必要があるでしょう。
 
J:誰に相談すればいいでしょうか?

K:「よく勉強している税理士」を「金のわらじ」履いて
でも探してくることです。
単なる計算屋のような人ではいけません。

大げさな表現になりますが、
その人の思想と哲学がある人でなければなりません。
そういう人物は誰も離しませんから
暇ではないのです。私なども忙しいのですよ。
 ソコを頼むのですから、費用を出し惜しみしてはなりません。
私は平均的なレベルの税理士ですが、費用をケチる人には
力も入りません、費用をケチられたら頭も廻りません。
費用が巨額ならブーン ブーンと頭が回るのです。われながら
その速さと、遅さの違いには呆れるくらいです。
 でもこれは真実のことですョ。

結局、税理士に相談料をケチる人は大損していきます。それが、
分からないのです。私の事務所では、あまりに分からない人からは
「降ります」。




<二種類の残すものとは?>

J:先程、残すものに二種類あって、その筋を間違えてはならない、
と仰いましたが、この辺をどのように考えれば良いのでしょうか?

K:一つは会社コースです。まず会社のre-desighをすることです。
会社から不要なもの良くないものを除去します。人間の体内から
毒素を出すのに似ています。
これは社長でなくては出来ません。
具体的には良くない得意先、商品、仕入外注先、従業員、
不良資産、不良債権などを掃除します。口では簡単に言えますが、
コレをするには腹を決めて不退転の努力
が必要です。
 常に意識して大掃除をしないと不良なものが居つきます。
洗い流さねばなりません。

もう一つは、ご家族が困らないような資産を残す必要があります。
先祖から承継したものは絶対に減らさないで次世代に残すと共に、
経営者なら更に付加すべきでしょう。

 ところが引き継いだものを大きく減らす社長が実に多い。
浮き沈み、勝ち負けは
世の常ですが、せめて手仕舞いするときには逆転して
8勝7敗ぐらいの中身は欲しいです。

 この点は裸一貫からスタートとした人のほうが圧倒的にシビアーです。
甘くなってはいけません。とことん行かなければ。根生のキツサでは
誰にも負けないようにならないと、地すべりを起こします。

 そして最大の問題は相続税です。優秀な税理士に毎年ドック入りするように
相続税の試算と、傾向と対策のシミュレーションはするべきです。


<年に一度はシミュレーションを>

そこで、会社に残すものと家族に残すものを峻別しなければなりません。
必要なら試算の組換えや、組織再編も必要でしょう。
 この辺は家族構成、子供の有無、子供の志望、夫婦のものの考え方、
経営についての考え方によって千差万別です。一律に言えません。
 ただ相続するのではなく、一石二鳥でそのときに不良会社も
処置してしまう事も考えると良いでしょう。
悪い会社を持ってってもロクナコトはありません。
廃業・清算という「終わりの始まり」をしなければなりません。

また情報系の設備をどのようにメンテナンスして誰が引き継ぐのかなどは
情報が知的財産価値を持つ為必須の事です。
散逸する事は個人情報保護の観点からも問題を残します。
これなどは経営体が継承すべきですが、そのセンスがある人材の
養成や確保が肝要です。
 また、先程のように経営体を解散してしまう場合の
ことも考えなければなりません。

J:なかなか大仕事である事がわかってきました。
今一生懸命になっている経営から、先の視点を教え
ていただいたようで、今の目の前だけではいけないのですね。

K:そうです。それと、
「会社に残すもの」と「家族に残すもの」のふた流れで
話をしましたが、両方にまたがる資産については、税理士と相談
しながら早めに手を打たなければなりません。

J:どういうケースですか?


<遺言は結構使える>

K:社長が自己資金を会社に貸していたり、給与などの未払い金
を会社の負債(未払金)として残したままの場合です。
 このような場合に、社長に万一のことがあると、社長が会社に貸した
貸付金や未収金(会社サイドでは借入金・未払金として計上されています)
は相続財産になります。
 相続人の間が上手く行っている場合は良いのですが、こじれると
この債権を取り合いになります。
 このようなことになると会社の方が迷惑します。また社長の株式
が相続財産になると、ヘンな経営のことも分からない相続人が
経営に口を出します。困るのは従業員です。
 
 先程の二つについては、必ず混合にならないようにしなければ
なりません。

J:どんな対策が良いですか?

K:遺言を書く事です。ふた流れに、つまり会社の経営と家族の
生活が入り混らないようにです。

次回はもう少し、この辺を掘り下げるとともに、
日本人のこれからの経営の特質について話します。
 キーワードは、新会社法、公開か否か、結果を出すこと、
日本人の精神性の特徴と伸ばし方などです。


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 社長、ソコが分かれば百人力 第24号
  

発行日  平成18年2月25日
発行者  フォアユーインターナショナル有限会社
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