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これからの経営には数字と税金の知識が必要です

税務会計フォアユーパートナーズ

(担当)財務分析家
木村栄昌
(税理士・米国公認会計士)

社長、ソコがわかれば百人力!

社長、ソコがわかれば百人力! のご案内

『社長、ソコがわかれば百人力!』のバックナンバー(23号)をご紹介します。

これまでのあらすじ

対談を進めていくうちに、00譲次氏は様々なアドバイスを受けました:
  • 税法改正の影響と対策
  • 資金確保のポイント
  • 税金ごとの性質の把握と、それぞれに適した節税のポイント
  • 会計事務所との付き合い方
  • 相続対策
そして話題は「会計データの読み方」へ……。

バックナンバー

社長、ソコがわかれば百人力!
社長、ソコが分かれば百人力 第23号

旧タイトル  荒野を生き抜く発想力
      <旬刊・Do-ing・経営者税務>



さて、ここでもう一つ付け加えたいのは、決算書類の中でも、
損益計算書だけは、できたら毎朝新しいのを読むようにし欲しいです。
 新しいものとは、前日の損益計算書を翌日の朝に読むのです。
そして今日の方針を確認するのです。前日の結果が、
良ければもっととなるし、悪ければ、原因につき思いを
めぐらせる、1ヶ月事態を知らずにボーっと霧の中を歩くより、
このようにする社長との毎朝のこの差の積み
重ねは巨大になります。

 損益計算書の日々の取引と累計を見る。予算と比べる。
これらの表はすべて市販の会計ソフトに備わっています。
社長が使わないだけです。
 貸借対照表は残高表であり結果ですから、毎日
見る必要はありません。

 指揮者は譜面を毎朝読む、株式関係者も前日の商いの内容を検討
しつくして本日に臨む。
 皆さん同じです。


<ハッキリこれが欲しいと注文しないと情報は手に入らない>

J:中小企業の社長には経理に苦手意識がありますから、
営業や製造の者に言うようにハッキリ、きつく言いにくいし、
自分の中にも苦手意識があります。
 でも分かってきた事は、我が社の事を知るにはこの月次
決算書を読むことしか道はないのですから、ボーっとした眼鏡をかけて
見るような事をしないで
ハッキリ見えるようにするべきだと思いましたネ。
 それと分からなければ、自分で無理をしないで
会計事務所の方に解説していただき、
気安く聞く事で「何が必要か?」を知ることが必要であると
思います。

 では、このようにして我が社のことを日々知ったとして
経営者はこれから、更に大きな視野でどのような点を注意して
いったらいいのでしょうか。
 この点をお話下さい。

K:では貸借対照表・損益計算書を見る点については、
ひとまず置くとして、いまジョージさんからのご
質問につきお話しましょう。


<<もっと広い視野で計数を見る>>

<注意すべきは経営の連続性>

K:では今回から、少し視点を変えて、目の前の損益や貸借対照表
の先に何を見るか、という事についてお話します。
 キーになる事は、どんな時代になっても、折角
作り上げた経営体を連続させる事です。勿論、企業は人なり、
と言われるように次をやってゆく人材が居る事が第一に見えますが、
私はまず、資産ありきで、いい資産内容の会社であれば、
放って置いてとまでは言いませんが、
それほど意識しなくとも後継者は見つかります。
 逆に、中身のない会社、ひどい資産内容の会社は、
後継者にも恵まれず衰亡してゆくだけです。

  簡単な言い方になりますが、
・ 儲かる体質の会社
・ いい得意先のある会社
・ いい商品が常に生み出されてゆく会社
・ いつもあかるくて、給料もよく、派手でなくとも
   堅実な会社であれば、おのずと繋がってゆくものです。

だいたいアングロサクソンと違い、日本人には、
会社を従業員ごと売飛ばすメンタリテイーはありません。
 アングロサクソンの経営思想が普遍的になってきて、マスコミ
などでも、もてはやすから、それがアタリマエになってきましたが、
私はソコに価値の少ないものを価値以上で売って儲けよう、
それもキャピタルゲインをです。
薄い半端な利益を儲けるのではなく、グッスリと纏まったお金
を掴もうとする考え方です。
 売る会社の中身や質は二の次で、外観を綺麗に装う事に
腐心しているように見えます。
 
どだい、こんなことは長続きしません。仲介の会社にコンサルタント料
を多額に取られてやられるだけです。
 
<中身があれば怖くない>

少し利益が出れば銀行や保険会社や証券会社が甘い蜜に群がる
虫のように寄ってきますが、自信のない社長ほどおだてられて
その気になって損の道を歩んでゆきます。

  J:その自信とは、何処から来るのでしょうか?
以前、会社が好調の時には、規模を拡大しまくりました。
しかし私の心の中では、規模が大きくなるほど自信が
なくなってゆきました。
 なぜでしょうか。自分で気付いた事なのですが、
ホントにやりたい事ではないことまで拡大しすぎた為ではな
いかと思います。
同時に分権管理ができる人材にも
恵まれず、困っていました。

K:人材不足は結果であって、原因は核心の事業を越えて
拡大してしまった事でしょう。
これからは、集中の時代ですから、規模ではなく、核心の仕事を
どれぐらいみんなで面白くやってゆけるか、
にかかっていると思います。
 ソコさえシッカリと構築できれば、おのずと人材は集まってきます。
何度も言うように、そのところを集中状態にするのが
社長の仕事ですよ。
 殆どソコだけです、社長の仕事は。あとはなるべく細かい事
などは言いたくても見ないフリなどして外観はボーっとして
おればいいのです。
しかし簡単ではありません。放っておけば、外野から
無責任野郎が入り込んできます。
 そうならないように注意しなければなりません。
企業規模が膨張して、したくもない
仕事に社員を追いたててゆき、結果として付加価値率
が低下し、反面、固定費がドンドン上昇してゆく、そして
社内の士気は沈滞してゆきます。
 こんなとき銀行は押し込むように資金を貸します。
社長だけが浮いているのです。
そのうち、業績のメッキが剥げてくると銀行
の態度が変わります。なにも会社の事を、ウチのような
会計事務所ほどに親身になって考えてくれていたのではない
事が分かってきます。
そのときはすでに社運が傾いたときです。

J:なにが大事かと言えば、規模よりもいい商品を
みんなで作ってゆく会社作りですね!

<社長。あなたは何を残すのか>

K:そうです。そう思いますよ。
そうすると社長が、次に備えて継承しなければならないものが
見えてきます。


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社長、そこがわかれば百人力!23号

  (旧タイトル)
    荒野を生き抜く発想力
      <旬刊・Do-ing・経営者税務>  

発行日  平成18年2月15日
発行者  フォアユーインターナショナル有限会社
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『社長、ソコがわかれば百人力!』
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