景気動向など
木村:「新円切り替え、円安、預金をどうするか」ですね。昨夜もこの関係の本を自宅へ持って帰って調べてました。ある資料では2004年3月19日(金曜日・福井日銀総裁の誕生日)午後7時に預金封鎖実施、日経平均3900円まで落ちる、円の為替レート1ドル1000円となってました。どうします?かなり極端な話ですがね。
この狙いは何でしょうか。
木村:どの資料でも同じこと言ってます。たんす預金の炙り出しといわれています。アングラマネーも含まれます。これらを紙くずにしてしまう。まともな金(カネ)のみ流通させる。そしてIMFが入ってくる。既にIMFは政府機関、金融機関各社の調べを終えたと書かれています。
1ドル1000円やったら外貨預金に変えておかんと損しますね。
木村:よう考えてやってください。ただし私はその筆者が言われるように1ドル1000円のようなことはないと思います。雑誌などにイロイロ書いてあることを合わせて考えると1ドル200円の円安になればアジア経済が大混乱になる。中国、香港、マレーシアがペッグシステムでドルに連動し、シンガポール、タイ、フイリッピンも対米輸出でドルとの関係が強いため、せいぜい1ドル150円くらいではないかとの意見に賛成します。
金利はどうなりますか?
木村: 断っておきますが、私はそれが専門ではありません。でも経済人として金利について考えることは避けられません。読者の皆さんも経済社会で生きている以上同じと思います。 大事なことは他人の言うことに振り回されない事です。私が今から話すことは「考え方」です。参考にして下さればいいのです。まず、大雑把ですが……
- 資金需要が高まると金利が上がり始め、逆では下がるのが基本型です。そして完全雇用のもとインフレ気味になれば金利は最高段階に上がります。フローからストックへ回すことで、通貨の供給量を引き締める狙いもあります。いわば調節弁です。
- 株価の上昇率は 2 ヶ月連続で 7% を超えており、7 月 11 日までの 32 営業日連続で売買高が 10 億株を超えバブルを上回る活況(KINZAI FINANCIAL PLAN 8 月号 84 ページ)と言われています。
- 私は、これは外人買いと銀行預金の低金利に痺れを切らした個人投資家の買いではないかと思います。とはいっても、投資行動の復活と資金需要の高まりを示していると考えられます
- 経済予測も悲観論が修正されてきています。これに乗って、債券市場(国債社債など)の資金が株式相場シフトしたと観測されています。(KINZAI FINANCIAL PLAN 8 月号 82 ページ)
- 現に、今まで金利が下がり続けてきたのが上昇し始めました。10 年モノ新発国債の例では今年 6 月 12 日の 0.435% を底に 7 月には 1.115% に反転しました。7 月発行 10 年長期国債のクーポンを 6 月債に比べて 0.4% 上げて年 0.9% にすることを財務省は決めたと書かれています。一部の銀行では 7 年固定の住宅ローンの金利が 0.05% 上がります。35 年長期固定ローンは 2% 台ですが、これも上がるといわれています。3 年以上のスーパー定期の金利も引き上げられるようです。(KINZAI FINANCIAL PLAN 8 月号より収集)
- 将に基本型の通り上り始めました。これがまた下がることはあるのか? 資金需要を求める力と、貨幣自体が増殖しようとする本能的な力によって金利の素地が決まり、その上での政策当局の金融政策で、公定歩合と通貨供給量が変更されていくのですが、今までの低金利のマグマが随分溜まってるため、上昇の基調は変わらないのではないかと私は考えてます。

東京フィナンシャルグループ 高橋誠 著
日本文学館 刊
そうすると商売や生活面に影響が出るのですか。
木村:言うまでもなく、書くまでもなく出るでしょう。あなたもお分かりでしょう。
金利が上がれば、預金の値打ちが増える一方、変動型ローンの払いもキツくなりますね。それと借金の多い会社は利益を喰われるのですか。
木村: イエース。それだけではないよ。今あなたがうまいこと言われた、金利上昇で「預金の値打ちが増える」逆が起こります。
といいますと?
木村: 預金の逆の借入金の値打ちは下がることになります。言わば支払利息が嵩み、借入金を持ってることががしんどくなります。そして同時に借入金が証券化された国債や公社債の値打ちも下がります。
そこをもう少し詳しく!
木村: 例で見てみましょう。ある会社が社債を発行しようとする。金利を設定しなければなりません。内容の良い会社は強気ですから金利(社債の利子)は低く抑えて売り出します。内容が良いだけに、市場ではそれで通るのです。逆に内容が悪い会社は社債の引き受けをしてもらうため利息は高く設定しますね。券面額 1000 万円としたら 0.5% が内容の善い会社としたら、7% の金利をつけるところは内容が悪いわけです。悪い分だけ額面から割引いて発行しなければなりません。
このように金利と発行価額は裏腹の関係になりますから、金利が上昇するということは国債や公社債の値段が下落していくことになります。
だから、「国債の暴落」が言われるのですね。
木村: そうです。うちのホームページでも過去の Doing でも言ってました。 そして、前述の雑誌の記事では 0.5% の金利上昇の結果、国の利子支払増加額は 5000 億円に達します。この歳出増加に対応するためには増税か国債増発しかないのです。低金利のツケが金利上昇になり、企業や国の財政に波紋のように悪影響を及ぼすのです。
いままでも借金は大きな負担になることは申し上げてきました。利益体質の会社なら借金も良いでしょう。そんな会社でも金利上昇で利益が喰われるため損益計画の見直しや直接金融への変換を考える必要を説いてきました。(8月にも直接金融のセミナーをさせていただきました)。利益が出にくいところは金利上昇と元金返済の二重のプレッシャーが心配です。
国民金融公庫の金利も 9 月 10 日に上がりました。普通貸付を例にとると、従来 1.4% だったのが、1.85% に上昇しました。今年の 1 月 10 日現在 1.65% でしたが、4 月に底をつき、少し(0.45%)上がってきました。
関西の経済など
関西の企業は何に注意しなければなりませんか。
木村: 関西と一口に言うけど規模の大小はさまざまで一口にいえません。お盆休みに机の中整理してたら中学の同級生から、何年か前に受け取ったアメリカからの絵葉書がありました。その男は工学部を出てエンジニヤーとして入社したのですがアメリカの工場の建て直しで単身赴任して自炊してがんばってると絵葉書に書いてありました。アメリカの前はフランスの現地会社の社長でした。そして今は中国の現地法人の責任者で中国にいます。関西と言ってもこのように世界を股に掛けるとこなどイロイロですよ。
私の印象では東京一極集中が進んでいるように思います。大阪での株の売買も落ち込んでます。この傾向のほかに力がありながら株式を上場しない会社が相対的に多くなってきていると日経金融新聞にありました。なにか大きな変革の前兆ではないでしょうか。
ではいよいよマトメに。インフレはどうですか?
木村: また言うてんの。戦後のインフレは物不足が原因でした。今はモノ余りで、さほど気にしないでいいのではと私は思います。皆さんはどう考えられるのですかねえ。
単純に、インフレになったら借金が楽になるという発想です。
木村: インフレ待望論ですね。でも今までに述べたようにインフレにならず、物価騰貴もなく、金利だけ上昇するという事業している人々には「最悪のシナリオ」になりつつあるのではないでしょうか。こんな時にも冒頭に述べさせていただきました当所の CONEST システムでお手伝いさせていただきたいと考えています。また物価が上がらず金利が上がることはお金のある生活者には悪いことではなかったのですか、これからは税金がきつくなり、可処分所得が減少し、やはりやりにくくなると思います。
これ以外に何かありませんか?
木村:では、二つ思うこと言わせていただきます。ひとつはマスコミに引きずられず、気を強く持って自分の考えや判断を他人に振り回されないことではないかと思います。みんな余裕がなくなって、やたら忙しく「真意」でない言葉がつい口から出ることが良くありますが、カリカリしない鷹揚さが要るのではないでしょうか。2回しか行ったことがないし、主に映画でしか分かりませんが、中国の人に見る、おおらかさや愛嬌がわれわれから失われてるとしたら寂しいことです。
もうひとつは日本という国はいいものがいっぱいある国です。日本料理が長寿に最も適していることはもはや世界の常識です。お茶を初めとする食品、伝統芸能、建築、など枚挙にいとまがありません。そして造るものは最高です。モノ造りの天才です。
その日本はまた世界中どこにも「親戚の国」が無い点でも珍しい国です。アングロサクソンは英国を源流として米国、カナダ、オーストラリヤ、ニュージーランド、南アメリカみな親戚です。スカンジナビアの国々もそうです。ラテンアメリカ諸国もスペイン・ポルトガル語系で親戚です。イスラム教諸国、ロシア正教諸国、アラブ諸国もみな親戚同士です。何か事あれば陰に日向に助け合ってることは日々のニュースで分かります。そのほかヨーロッパの国はその王家が相互に親戚で今度、ユーロ通貨を軸にヨーロッパ合衆国になろうとしています。中国系も華僑を軸に世界中散らばっています。シンガポール、インドネシアなども経済圏としては一つです。
日本だけが孤児です。そして異教徒です。変わった奴で、賢く頭の良い孤児をキライな人は世界に結構多いと思わないといけません。表面の笑顔に騙されてはなりません。だから、どの国にも頼らず、頼れず自分一個の才覚で生き抜いていかなければなりません。先ほども言いましたように独自の良いものが沢山ありますが、現実には技術は中国へ渡り、金融証券は外資に牛耳られつつあります。
どこにも親戚も身寄りもなく、宗教や民族で寄り合える国もないこの日本がいったんバラバラになり訳の分からない国になれば取り返しができないのです。お盆休みの間にこんなことを考えてました。(笑)
どうもありがとうございました。
木村:どういたしまして。ごくろうさんでした。
