日本とアメリカ
ではでは、参ります。これからの景気はどうなるでしょうか。
木村: わかりきったこと聞かんといてや、悪くなっても良くならんでしょう。個々の企業が健闘しても、財政が悪く 国家破産 の状況です。
財政と経済と分けて考えなくてはなりません。まず財政ですが、昭和 18 年太平洋戦争末期または徳川幕府崩壊直前と酷似していると言われています。昭和 18 年といえば二年後に預金封鎖がされました。郵便貯金が心配です。国債を含め国の借金 1000 兆円あります。私が聞いた情報では東大の経済学の 6 人の教授が試算したところ消費税 30% でも 20 年かからないと国の借金は返せないとのことです。消費税 50% で平成 27 年までかかるそうです。
次に経済のほうですが、これも悪い兆候ではないでしょうか。その理由は、
- アメリカの景気が下降気味であること。アメリカが買ってくれたから企業の業績もそこそこであったが、今後は貿易赤字を解消するため輸入を減らす。
- 銀行の中身が良くならないので銀行の持つ外国債が売られ(短絡的な)円高になり輸出不振に拍車を掛ける。
- 更に銀行の持つ株を放出し日本の株価は下がる。
- そこへ先般導入した国際会計基準による企業所有株式の時価評価により評価損が企業利益の足をひっぱり更に株価が下がる悪循環に入る。
アメリカは悪くなると言いましたが、日本と違い (1)まだ金利を下げる余地があり、(2)これも日本と違って会計監査がしっかりしているので企業の粉飾は少なく信用経済に底力があります。(3)個人が貯金もたず株に替えたりローンが多いので個人レベルの破産は多発し消費は縮みますが急激な凋落はないと思っています。
逆に日本は (1) から (3) がすべて逆です。アメリカに無く日本にある (3) の個人預金を狙って政府、大企業、外資系が仕掛けてくるので注意しなければなりません。昔から 商戦の基本は「相手の財産と金庫をスッカラカンにすることである」と言われています。既に若い人たちはこの戦略に嵌ってしまっています。彼らにはまったくお金はありません。今から仕上げの段階の始まりです。外資を軸に金融、証券、保険、税制が一体となって熟年層老年層の金を巻き上げようとしてきます。営々と貯えた汗の結晶を巻き上げられてはなりません。少しでも皆さんのお役に立とうと努力しています。
これらが大きな流れです。また共同証券構想が浮上してきております。こうなると株価の国家管理で市場経済への国家干渉ですよね。
インフレ
インフレがきますか。
木村: インフレ起こして国の借金チャラにすることを聞いておられるのでしょうが、これほどのデフレで物あまりですからインフレの効果はしれているのではないでしょうか。戦後にインフレがきて戦時国債の償還が楽になったから同じことが起こるという人がいますが、あの時は戦争で物も食料も乏しく需要が一気に起こる状況でした。いまは食べるものも着るものも溢れています(後で触れますが「質」は別として)。したがってもう一つの条件、即ち物不足の状況があってはじめてインフレの効果がでるのです。
戦争も無いし物不足は考えられませんね。
木村: 一つ有ります。
なんですか、それは。
木村: 地震です。大地震が起これば戦争で破壊されたと同じく物不足になります。ある情報では人工地震が可能のようです。聞いた話で、裏付の取れてない話ですが阪神大震災もある国の地震兵器によるものといわれています。
日本各地で地震を起こし、最後は首都圏で仕上げかもわかりません。大勢の人が豊かに持っているものを失うのですから、インフレは効果が有るでしょうね。そうだとすれば、その話が事実でないことを祈るばかりですが、私は有り得ないことではないと思っています。
どうすればよいでしょうか。
木村: 平凡な庶民のわれわれができることは次の二つではないでしょうか。一つ目は、地震がきても実損が無いように地震保険に入ること。二つ目は、政府要人やその家族が大量に国外へ出国しだしたら、地震は間近いと思い、火の元に注意し、気を引き締めることぐらいしかできませんね。満州へソ連が攻めてきたとき一番に逃げたのは高級役人とその家族でした。残留孤児として肉親探しに日本へ来ているのは皆、庶民の子供です。私達はこのことを忘れたらいけません。
話が少し横道にそれましたが、大切な点はインフレになっても簡単に国の借金は減らない点です。
借金している国はインフレが有利なのではないのですか。
木村: インフレになると対症療法で金利が上がります。仮に 1% 金利が上がれば 1000 兆円に対する金利は 10 兆円増えるのです。借金の額がある点を超えると収入(国の場合は税収)が増えたとしても追いつかない構造になってしまうのです。
その他にポイントは。
木村: 国債は暴落するので買わないことです。
資産運用は
景気も好くならないし、地震も心配ですが、少しでも安全に損をせず資産を維持していくにはどうしたらいいでしょうか。
木村: 得意先のみなさんの質問に少しだけでも返答できるように努力していますが、いわば皆さんの代わりに勉強したことを吐き出しているだけですから、参考意見程度 として聞いてくださいね。
わかりました。
木村: 二つ言われています。一つ目はドル建て預金です。理由はインフレに伴い金利が上昇し 1 ドル 110 円が 220 円〜 240 円ぐらいになるといわれています。一億一千万円をドルに替えて持ってたら二億二千万円になり、資産は倍になるという理屈です。わざわざ外国へ行ってパスポートを窓口で呈示して其の国の銀行で口座を作っても、どの国の税制もヨソ者(これを税法では非居住者といいます)には冷たく、利子に対する源泉税が高いので元本が増えても利息部分のリターンは外国の税金に食われてしまうのです。米国もシンガポールも香港もそうです。儲けるのは旅行社だけです。
もう一つの商品は金(ゴールド)といわれています。この考えはドル預金と全く逆に円高になるとの認識に立っています。そして消去法です。国債だめ、ドルもユーロも土地も株も下がる。ベンチャーなど続かない。マザースやナスダックには近づかない。保険、証券、銀行みんなだめ、投資信託も元本割れ確実。ゴールドは携帯電話にもコンピュータにも必要だから需要は堅い。だから金だ、ということです。
木村先生はどうしますか、またこれからどういう考え方で行けばいいでしょうか。
これからの考え方
木村: それがわかれば苦労しませんがな。 私などの一介の税理士ずれが税金や会計以上のそんな大問題にお答えする資格は有りませんが、私が心がけていることをお話しましょう。多分役に立たないと思いますが。お耳汚しにしかなりませんよ。もっと偉い先生に聞いてくださいよ。
まあそう言わずに、お話ください。
木村: あんた、ほんまに人に喋らすのうまいなあ。それはね・・・・・・
- 何をするにも、よう分からんことはせんこと。失敗するのは結局よう分からんのに、人に引きずられてやってしまうからや。ゴールドが良いかドルが良いかまだ良く分からん。だからなにもしてません。分かる時期が来てから動く。証券アナリストが昔、ウォーターフロント、不動産、ソフトバンクを勧めた。結局、みな外れです。
- 縁の無い人には近づかんこと。欲があると自分で勝手に理屈つけて縁の無い人とでも関わりもってしまう。話をして不快な人があるでしょう。あなたの体がセンサーになって教えてくれてるのを大切にすることです。感性です。
- 自分の頭で考える。人の話や、テレビ、新聞、広告、風聞は迂闊に信用せんこと。50号で書いてたはずです。テレビで宣伝してる通りにモノ買うと大変です。コーラ飲んで、ハンバーガーや即席ラーメン食べて○○パン食って(ここの社長は絶対に自社のパンは口に入れないともっぱらの話です)、テレビで宣伝している家(シックハウスで病気になる)に住み、○○クロのポリエステルの服(原料はダイオキシン、したがって中国で生産)着ると衣食住三拍子揃って不健康になります。財産より大切な体をヤラれます。食品も家も衣料も良質のものはすべて中小企業で作っています。しかしテレビで宣伝できないのです。広告費出せないから。だからテレビ見る人ほどだまされていくのです。衣服など得意先の社長に聞いた話では一番体に良いのが麻ということです。そのほかウール、棉、絹等なるべく天然のものを身につけるのが正解のようです。
- 量を求めない、質にこだわること。
- 日本の国は得体の知れないとこが有ります。何でもかんでも信用せんことです。グルメなどのブームに乗らんことです。昔から天皇家、公家、三井、住友はみな粗食で過ごしてこられた。この辺に究極の知恵が有ると思う。知人で食べ物は安物は口にしないと言う人がいます。正解と思います。私はビールはなるべく銀河高原ビールを飲むようにしていますが手に入りにくくてね。ピラミッドに書いてあるそうです。「食べた 三分の一だけがその人の栄養 になり、後の三分の二はお医者さんの栄養になる」と。だから、小食・粗食がよいようです。
また IT は所詮、情報の伝達手段に過ぎません。外資系コンサルタントに踊らされて大企業では E- コマース向けの情報システム構築してますが本当にそこまで性急にすべきか疑問です。お得意の横並びでしょうか。
人間の心と体が喜ぶことが一番値打ちが有ると思う。そういう意味で「肉体主義」が大切ではないでしょうか。
くどいようですが、もしインフレが来るとしたらいつ頃でしょうか。
木村: まだ言うてんのかいな。
心配なんです。
木村: 2003 年説と2005 年説があります。詳しいことは 副島隆彦著「堕ちよ日本経済 −アメリカの扼から脱するために」(祥伝社2000、8)にあります。ここでは円安、かつ、ドル安になりペーパーマネーとは逆にゴールドがあがると述べられています。借入元金は返すな、預金は価値落ちる、と述べられていました。紹介だけさせていただきました。自己責任の世界です。
土地がありそれ以上の借入金があるところはどうすれば良いでしょうか。
木村: 自分で考えることです。電車乗ったら、ええおっさんが朝からスポーツ紙見とおる。人(プロスポーツ選手)の金もうけに新聞代払って損したはる。若い者は漫画読んでる。しかしこの Doing の読者はそんなレベルの人ではないですから皆さんご自分で答え出せますよ。あんた、いらん心配せんでもええよ。
経営への指針
経営上大切な事は何でしょうか。
木村: 前述のインフレ政策が功を奏した場合は別として、基本的にはデフレ基調で進んでいくと考えられるので、以下がポイントと思います。読者の皆さんは賢く勘も鋭いので、以下の私の考えは 叩き台として、こういう考えもあるかと 批判的に 見てほしいです。
- カネのある者が勝つのがデフレの特徴。何回も言うようにキャッシュフローが大事。キャッシュフロー無視した研究開発重視の「いいもの作る」優秀な企業ほど苦しくなる。理由は作っても売れない。在庫で残る。そこで安売りになる。金が回らなくなる。カネない場合はそれなりに技能でよその真似できんよにその技術で勝負です。例えば会計事務所などその典型です。選挙と大きな商売は大衆という得体の知れん人々相手にせんと勝てんけど会計事務所のお客さんはみな賢い人なので油断できません。我々は資本が少ない分、技能と平素の努力が欠かせません。
- 固定支出を見直す。借入する時代ではない。無借金でも金不足になるのに借入があると競争できない。
- 外国(中国等の工賃安いとこ)へ生産拠点作らない。製品粗悪で競争できない。得意分野で日本人の物作りの優秀さを生かした高級品で勝負したい。(ソニーの商品は国内で造らないから壊れやすい。急速に人気下降している)
- アメリカは結局最後は農業国になるといわれている。いつまでも当てにしないで、日本発の経営の仕組みを打ち出す時期がきた。
- 先ほどの「儲かる」会社にするには素直な事務員さんが必要です。性格が第一です。人柄の方は社長さんが見抜く専門家なので、経理の技能がどの程度かの確認は採用面接に会計事務所が同席して質問する事でわかります。
- 要するに、真似しないで、サイズ小さくして堅く堅く この嵐を乗り切ることです。
